UDフォントの必要性についてちょっと考えてみます。今後、UDフォントの需要は高まるのだろうか? UDフォントがあることによって世界は変わるのだろうか?
UDフォントとは?
なにかと最近話題のSDGs。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として2015年9月の国連サミットにおいて全会一致で採択されたものがSDGsである。「SDGs」とは「Sustainable Development Goals」の略称で、和訳すると「持続可能な開発目標」となる。SDGsに関することは外務省の公式ページを見てもらうとして……
SDGsってフォントにも関係あるんじゃね~の?!
と、私は最近思うんだよねぇ。
で、調べてみると……日本のフォントメーカーの多くは、SDGsという視点からフォント開発に取り組んでいるとのこと。すでに、出発していました~。
フォントワークスでは、九州大学と共同研究してユニバーサルデザイン(UD)フォントの実験・評価に取り組んでいるとのこと。
そこで私、「UDフォントって意味あるの?」って疑問に思ったんだよね。
「より読みやすく、見やすく、伝えやすくするためにUDフォントを作りました!」と宣伝され、提供されるけど……実は身近じゃなかったりするのがUDフォント。だって、わざわざUDフォントを選んだりしないよね、オシャレなフォントを選んじゃうでしょ。
公的施設にはUDフォントが取り入れられているけど、まだ私たちの生活には馴染み深くない存在だったりするのがUDフォント。
ということで……UDフォントの必要性について簡単に調べてみました!
UDフォントの必要性は?
UDフォントの大前提
UDフォントは、可読性・視認性・判別性に優れ、年齢・性別に関係なく、だれもが「読みやすいぃ~、見やすいぃ~!」と感じることを目的としている。つまり、UDフォントを使ってみて、可読性・視認性・判別性が向上しなければ、UDフォントはなくても大丈夫なフォントということになる。
【実験1】読みやすくなるのか?見やすくなるのか?
では、ここでUDフォントと一般的なフォントを比較して、「読みやすい!」「見やすい!」と感じるのか実験してみるよ。
まずはコチラ↓。
UDフォントのほうが一般的なフォントよりも、「゛」「゜」が分かりやすいかも。「゛」と「゜」の周辺が切り抜かれていることによって読みやすいさを向上させているのだろう。
続いてはコチラ↓。
UDフォントのほうが「東」の中央部分の余白が広いかもしれない。あと……漢字の縦線・横線が一般的なフォントよりも均一に仕上がっているように感じる。
続いてはコチラ↓。
「3」は「8」と誤読されやすい数字。「5」は「6」と誤読されやすい数字。UDフォントのほうが一般的なフォントよりもフトコロが大きいため、読みやすいのかもしれない。
ちなみに……これまでの実験で見せた画像に使われていたフォントは次のとおり。
どれも優れているかつ美しいデザインのフォントだが、UDフォントのほうがより読みやすいのかもしれない。
【実験2】ボカシをかけてみる
普通に比較しただけじゃ、よくわからんかった。なので、文字にボカシをかけてみて比較してみよう!
ひらがなはこんな感じ↓。
ボカシをかけると、UDフォントのほうが読みやすく感じる。「゛」「゜」部分がハッキリしているもんね。今、この画像たちを27インチQHDのモニターで50cmくらいの距離からみているんだけど、2mくらいに距離をはなして見ると、UDフォントのほうが分かりやすいかも。「゜」を見てよく感じる。
漢字はこんな感じ↓。
あぁ~ぁ、余白が広いUDフォントのほうが読みやすいね。遠くから薄めで見ると余計に分かるよ、違いが。
数字はこんな感じ↓。
やっぱり、フトコロの大きいUDフォントのほうが見やすいね。一般的なフォントの「5」なんて一歩間違ったら「6」に見えちゃうよね。
実験は以上。
結論:UDフォントは必要だ
結論、「UDフォントは必要な存在」だ。
SDGsという観点、生き方の多様性という観点から判断すると、UDフォントはなくてはならない存在と感じた。さらに、読みやすさ・見やすさという観点で判断しても、UDフォントのほうがレベルが高い。
きっと、UDフォントは今後活用機会が増えるフォントだろうと感じる。
私は、これからもUDフォントを使い続けていきたい。
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Reference:外務省、フォントワークス、
Report:R-kun(情報保管庫)
Photo:R-kun Office