先回の記事では、万年筆初心者に向けた万年筆の選び方を記載した。今回は、先回より少し発展して「ボトルインク」について書いていく。
先回の記事を読んでいない人は以下のリンクから先に読むことをおすすめする。
ボトルインクという言葉を初めて聞く人もいるかもしれないので、簡単に説明する。ボトルインクとは、ガラス瓶(ボトル)に入った万年筆インクのことである。様々なメーカーから発売されている。
初めてボトルインクを購入する人は、使用している万年筆と同じメーカーのボトルインクを購入することをおすすめする。メーカー純正品を選んでおけば失敗することはない。例えば、パイロット社の万年筆を使用しているのならば、パイロット社のボトルインクを使ってみる。
ちょっと背伸びしてボトルインクを楽しみたいという人には、使用している万年筆とは異なるメーカーのボトルインクを購入してみても良いかと思う。しかし、他メーカーのボトルインクを保証対象外となるので自己責任で使用すること。
ボトルインクになると、カートリッジインクよりも種類が多くなるため、どの色を選んだら良いのかわからなくなる。そこで、以下の点を意識してボトルインクを選ぶと良い。
<その1 色>
たくさんの色で何色がベストなのかわからなくなってしまう。そこで、おすすめしたい色は、ブルーブラックだ。困ったらブルーブラックを選んで欲しい。普通はブラックでは?と考えてしまうかもしれない。でも、ブルーブラックを選んで欲しい。実は、ブルーブラックインクは公文書に万年筆が使われていたころに正式なインクとして使われていたのだ。ブルーブラックインクは書き始めたときはブルーの色である。しかし、時間が経つにつれて色がブラックに変わるのだ。今月書いたブルーの字が2年後にはブラックになっているのだ。
<その2 サイズ>
パイロット社のボトルインクは最小で30ccからだが、メーカーによっては50ccからとか、100ccからというところもある。自分が使い切れるサイズを選ぶことをおすすめする。
<その3 価格>
日本国産のボトルインクは1000円以内で購入することが可能なものもあるが、ドイツメーカーのものは3000円くらいするものもある。身の丈にあったものを購入することをおすすめする。初めての人は、パイロット社のボトルインクがリーズナブルで購入しやすいだろう。
ここで、私がおすすめするボトルインクを紹介する。
私がおすすめするボトルインクは、「ペリカン バイオレット」だ。このインクは何もかもちょうど良いのである。
まず、サイズがちょうど良い。生卵より1周り大きいくらいのサイズで多すぎず少なすぎず容量がベストなのだ。使い切りやすいのだ。
次に、価格がちょうど良い。1500円前後で購入することができる。日本国産以外のボトルインクでは、比較的安価である。初めてでも手が届きやすいのだ。
最後に、発色が良いのだ。私はわざわざバイオレットを購入した。あれほどブルーブラックを薦めていたが、ペリカン社ではバイオレットがおすすめ。きれいな紫色なのである。日本では紫は高貴な色として扱われる。ペリカン社のバイオレットは高貴を感じる。また、私の大好きな乃木坂46のイメージカラーは紫色だ。これもバイオレットを選んだポイントだ。
発色はこんな感じ。
白紙に綿棒で塗ると濃く感じるが、万年筆を使って書いてみると、ちょうど良いのだ。使用した万年筆は、プラチナ社のプロシオン[1]だ。
こちらが、実際に書いてみた字を書いてみた写真。乃木坂46[2]と書かせてもらった。
なかなか良い発色だと思う。
これを機に、素敵なボトルインクと出会って欲しい。
―参考文献―
[1] プラチナ社プロシオン、https://www.platinum-pen.co.jp/fountainpen_procyon_2.html、2020年1月29日閲覧
[2] 乃木坂46公式ホームページ、http://www.nogizaka46.com/、2020年1月29日閲覧